次亜塩素酸水の噴霧が人体に有害ということで話題になりましたが
「深紫外線はどうですか?」
という質問を多く受けます。
結論から言えば、有害です。
「深紫外線」は、ABCで分類される紫外線の最も波長の短い【UV-C;波長100~280nm】に属します。
夕日が赤く見えるのは波長の長い赤色【波長650nm】は直線性が高く
また、西日が暑く感じるのは、更に波長の長い遠赤外線【波長2000nm~3000nm】の影響です。
一方、UV-Cは、大気圏上空のオゾン層と大気でほとんど吸収されるため
地表には届きません。
従って、植物や生物にとっては、未知の光です!
地球上に生命が誕生したのは、オゾン層と大気のお陰です。
かつて冷蔵庫の冷媒に使用されたフロンは、オゾン層を破壊するということで
使用が制限され、代替フロンガスが使用されています。
細菌はDNA、ウイルスはRNAの遺伝情報によって増殖しますが、DNAとRNAは
波長約254nmに吸収帯があって、この領域の光を効率的に吸収する特性があります。
従って、細菌やウイルスを殺菌、不活化するにはこの領域の波長の紫外線(殺菌線と呼ぶ)を使うと効率的に処理できます。
ところが、生物も同じくDNAで情報を伝達するので、DNAを損傷すると弊害があります。
人への影響としては、皮膚がんや白内障の原因になるとされています(≧∀≦*)
先日、コロンビア大学のブレナー教授のチームが、殺菌線より30nmm短い222nmの遠紫外線がヒトに影響を与えない可能性があるという論文を発表しましたが
そもそも、深紫外線の光は、直進性が低いので、大気中では遠くまで届きません。
また、深紫外線LEDの光はUVランプの光より中心波長が20nm長く、またUVランプと異なり、他の波長の光を含まないので人体に害を及ぼさない可能性があります。
<UVランプのスペクトル>
<深紫外線LEDのスペクトル>
そこで、安全性を確かめようということで(^^♪
人体実験は、さすがにできないので( ̄▽ ̄)
社屋の裏に生えているオオキンケイギクと
アシナガ蜂で、実験してみました(*´ο`*)
◆実験機器
高出力290mWの波長275nmLEDモジュール搭載の「ハンディ深紫外線LED殺菌灯」
◆オオキンケイギク(外来種雑草)
丸2日間48時間照射するも、極端に枯れたり萎れたりする変化はなし
太陽光を栄養に変えるぐらいだから深紫外線にも強い。納得ヽ(^。^)ノ
◆アシナガ蜂
約1㎥のガラスケース内に閉じ込めて、殺菌灯を照射。
照射した直後は、光を嫌がる様子はなく、ガラス容器の中を飛び回ることもなく、
なぜか、殺菌灯の前でじっとしたまま。
そして、徐々に動きが鈍くなり、約3時間後、死んでしまいました(;>_<;)
簡単な実験ですが、大変興味深い結果でした彡☆
結論を申し上げれば、オゾンや次亜塩素酸での議論同様、
人体にも有害と推測します。
従って、使用する場合は、光の照射時間を必要最低限に留める必要があります。
深紫外線LEDによる照射の場合、有利な点として、
- 処理後、残留オゾンや、残留薬物がなく、換気、ふき取りといった後処理が不要
- LEDなので点灯時間を簡単にコントロールできる
光エネルギー=光照度×照射時間 不活化効果は光エネルギーに比例
同時に、被射体のダメージも光エネルギーに比例
ということです。
ウイルスにだけ有効でヒトに無害という都合のよいものはないと考えた方が科学的と思います。
ハンディLED殺菌灯は、10cmの距離ならたった30秒でコロナウイルスを不活化します。
医療現場の皆様!
ご参考にして下さい。
その場合、必ず、ゴーグルと手袋をご着用下さい。
心の底から皆様のご健康とご活躍をお祈り致しております。